色々とマウスピース矯正治療を行って感じる事は、
マウスピース矯正はやはり万能では無いです。
日本矯正学会のガイドレインでも触れられている事ですが
治療における留意点
1) 効果は装着時間に影響される
一日24時間のうち20時間以上の使用推奨となっていますが、当院ではマウスピース矯正を始める時には、24時間のうち24時間使って下さいとお伝えしています。
外すのは、食事中と歯ブラシをする時のみ!それ以外の時間は常に使用するようにして下さい。
2) 傾斜移動が多い
歯を傾斜(倒す)方向に力をかけるのは得意としていますが、平行移動させるのはマウスピース矯正は苦手としています。平行移動させる時とは?これは次の項目で説明します。
3) 抜歯症例では、予期しない移動が発生することがある
抜歯症例では、歯を抜いて空いたスペースに歯を平行移動する必要があります。また、歯を抜いた所の骨の形態は骨の吸収があり、複雑な形態をしています。それによって予期しない移動が起こることがあります。
4) 術前のシミュレーションには歯根の位置に関する情報が欠けている
術前のシミュレーションでは骨の情報を全く含まないで歯の移動位置を決定します。なのでしっかりと骨の形態を意識して計画を立案しないと大変なことになります。
5) 歯冠形態によっては把持力に差異を生じることがある
矯正装置をダイレクトに歯に接着しているわけではないので、力の罹り方が均等でない事がありそれが治療結果に影響を与える事があります。
6) 咬合面を覆う形態のため、臼歯部が圧下されることがある
マウスピースを2枚入れると、噛み合わせが高くなります。これは開咬の治療を行う場合にはメリットとなります。しかしそうでない時は、不用意に歯を圧下させてしまうので要注意です。
7) 保険診療には使用できない
自由診療です。
このように注意すべき事はたくさんあります。
なので、当院では、マウスピース矯正とワイヤー矯正を比較して、患者様の口腔内・骨・顔貌状態を把握して最適な治療方法を提案するようにしています。