セルフケア(歯磨き方法)

正しい歯磨きの方法できてますか?

毎日行う歯磨き、正しい方法で行えてますか?

次の項目に当てはまるものが、ひとつでもあれば、歯ぐきや歯を傷つけている可能性があります。

歯磨き粉について

フッ素入の薬用磨き粉を使ってください!
一般に売っている歯磨き粉には化粧品(薬用成分が全く含まれていないもの)が紛れています。
必ず確認してください。
その他にも、注意すべきことをまとめたので、参考にしてみてください。

歯磨き粉、正しく選べていますか?

医薬品の歯磨き粉を使っていますか?

歯磨き粉には、医薬品と化粧品の2種類があります。

 

◆医薬品医療用成分(厚生労働省が薬として認可した歯周病の殺菌成分や虫歯予防成分など)がしっかりと含まれています。
これにより、虫歯予防、歯周病予防、知覚過敏抑制などの効果が期待できます。


◆化粧品:歯茎の引き締めや汚れを浮かせる成分が含まれていますが、薬効成分は含まれていません。
そのため、病気の予防や進行抑制の効果は期待できません。
ご自身が使用している歯磨き粉がどちらに分類されるか、チェックしてみましょう。


化粧品に分類される歯磨き粉が悪いわけではありません。
しかし、歯科医師としては、医薬品の歯磨き粉も併用することをお勧めします。

 

歯磨き後に、うがいしすぎていませんか?

歯磨き後に口を流しすぎると、せっかく歯に浸透しようとしている歯磨き粉の薬効成分を洗い流してしまうことになります。
イエテボリ大学が推奨する方法は、ペットボトルキャップ1杯分の水で洗口し、そのまま歯磨き粉の薬効成分を口腔内に保持・歯に浸透させることです。
これで、歯に良い歯磨きができます。

歯磨き粉に研磨剤が入っていませんか?

昔は、粒々が入った歯磨き粉が多くありました。
研磨剤を含む歯磨き粉を使うことで歯の色味がきれいになる(鏡面が傷ついて光が乱反射し、白く見える)と思われていました。
しかし、歯の表面を傷つけることが歯にとって良くないことが見直されています。
そのため、研磨剤が少ない、全く含まない歯磨き粉を選ぶことをおすすめします。

歯間ブラシ・フロスの重要性

まず、知って頂きたいのは、歯ブラシ1本で、歯磨きするのは虫歯と歯周病の原因!ということです。
フロスや歯間ブラシを使わず、歯と歯の間を磨いてない=口の中の40%を磨くことを放棄している状態です。
必ず虫歯か歯周病になります。

歯間ブラシとフロス

歯間ブラシの特徴

歯と歯の間にすき間がある方におすすめです。
360°回るブラシの毛が、前後に動かすだけでしっかり汚れを落とします。
使いやすく続けやすいですが、サイズが合わないと効果が薄れたり、歯ぐきを傷つけることがあるので注意しましょう。
ブリッジインプラントの周りの掃除にも効果的です。

デンタルフロスの特徴

歯と歯のすき間が狭い方や前歯の掃除に向いています。
正しい使い方をしないと、詰め物を引っ掛けたり歯ぐきを傷つける恐れがあります。
繊維の束が汚れを絡め取るため、清掃効果が高いです。
初心者にはホルダー付きワックス付きのフロスがおすすめです。

 

どちらを使うべき?

お口の状態によって、歯間ブラシが適している方・フロスが向いている方は異なります。
また、部位によって使い分けることも有効です。
たとえば「奥歯は歯間ブラシ、前歯はフロス」といった併用も可能です。
自分に合った清掃用具を正しく選ぶためにも、ぜひ歯科衛生士にお気軽にご相談ください
プロの視点から、お口の状態に最適な清掃法をアドバイスいたします。

ウォーターピックって良いの?

ウォーターピックについて、最近患者様から「どうですか?」と質問を受けました。
ウォーターピックは、バイオフィルム除去ができると謳っている商品もありますが、基本的には水流だけでバイオフィルムを除去することは難しいとされています。
歯科医院で使われるものは、機械的清掃のためにパウダーを含んだウォーターピックを使うことが一般的です。
ウォーターピックはフロスや歯間ブラシが使いづらい方におすすめしますが、それだけでは完全に汚れを落とすことはできません。
併用するためには、フロスや歯間ブラシの使用をおすすめします。
特に、フロスや歯間ブラシを使うのが難しい場合は、ウォーターピックを使うと効率的です。

歯ブラシの選び方

”弘法筆を選ばず”と、言うことわざがありますが、歯を磨く時には必ずしもそれは当てはまりません。

正しい歯ブラシ選びとケアで、毎日の歯みがきをもっと効果的に!

毛の素材はナイロンまたはポリエステル製が基本

◆毛の素材:ナイロン or ポリエステル
細菌が繁殖しにくく、弾力のある素材を。
ナイロンは吸水性に注意。

 

◆ヘッドの大きさ:基本は「小さめ」
奥まで届きやすく操作しやすい。
高齢の方には大きめが合うことも。

 

◆植毛:3列程度で密度しっかり
歯に均一に当たり、汚れを落としやすくなります。

 

◆毛の硬さ:「普通」が基本
歯ぐきや磨き方に応じて柔らかいものを選びましょう。

歯ブラシ・歯間清掃用具の保管方法

使用後は流水でよく洗い、風通しの良い場所で乾燥させてください。
湿気が残ると細菌が繁殖しやすく、不衛生になります。

ポリエステル製は吸水しにくく乾きやすいため、比較的劣化しにくい素材です。
一方、ナイロン製はしっかり乾燥させないと毛の弾力が失われ、広がりやすくなるため注意が必要です。

定期的に歯ブラシを交換していますか?

歯ブラシの毛先が開くと、清掃効率が大幅に下がります。
定期的に交換し、歯科医院で衛生士さんと一緒にご自身の口腔内清掃用具を見直してみましょう。


◆手用歯ブラシ:1か月ごと
◆クラプロックスなど特殊ブラシ:約3か月
◆電動ブラシのヘッド:約3か月
◆歯間ブラシ:1週間〜10日(毛の開きや変形があれば早めに)
◆F字・Y字型フロス:基本は使い捨て。
長くても1週間以内に交換

正しい歯みがき、できていますか?

正しい磨き方で歯と歯ぐきを守ろう!

①歯ブラシの持ち方が大切!
グーではなく、鉛筆を持つように軽く持ちましょう。
力を入れすぎると歯や歯ぐきを傷つけます。

 

角度と動かし方にコツ
毛先を歯と歯ぐきの境目に45度に当て、やさしく小さく動かしましょう。

 

奥歯は少し口を閉じて
大きく開けると頬の骨が邪魔。
少し閉じたほうが奥まで磨きやすいです。

 

いつも同じ順番で
「外側→内側→かみ合わせ」の順に磨くと、磨き残しが減ります。

 

⑤“ながら磨き”はNG!
スマホやテレビを見ず、鏡を見ながら2〜3分しっかり磨きましょう。

 

電動歯ブラシっていいの?

電動歯ブラシは、手磨きよりも効率的に歯垢を落とせることが特徴で、特に高齢者やお子さま、手先が不自由な方にとって使いやすいツールです。
自動で動くため、手の力や細かい動作が少なくて済む反面、初期費用や替えブラシなどの維持費がかかる点には注意が必要です。
電動ブラシにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なるため、自分に合ったタイプを選びましょう。

電動歯ブラシの種類と選び方

回転式電動歯ブラシ
ブラシのヘッドが円形に反復回転して歯垢を除去するタイプ。
歯に軽く当てるだけで効果的です。

音波・超音波歯ブラシ
毛先が高速振動し、水流やキャビテーションで歯と歯ぐきのすき間もきれいにします。
大きく動かす必要はありません。

アシスト型電動歯ブラシ
振動が弱く、手磨きの補助として使います。
自分でブラシを動かす必要があります。

使い方はそれぞれ違うので、取扱説明書をよく確認しましょう。


これから買うなら、清掃力と使いやすさのバランスが良い音波・超音波歯ブラシ」がおすすめです。
製品ごとの特長や使い方は、歯科衛生士までお気軽にご相談ください。

当院でオススメしている歯みがきの流れ

01 歯間ブラシ・フロスからスタート

集中力の高い最初のうちに歯と歯の間の汚れ(歯間部)を落とすことで、より綺麗に磨くことができます。
また、習慣化するためにも最初に行うことをオススメしています。

02 歯ブラシで表面を清掃

順序よく、外側→内側→かみ合わせ面と順番を決めて磨きましょう。
利き手によって磨き残しやすい場所があるため、意識的に確認を。
毛先を歯と歯ぐきの境目に当て、軽い力で小刻みに動かすのが基本です。

03 舌もケアしましょう

舌の表面は細菌が繁殖しやすい部位です。
専用の舌ブラシや柔らかい歯ブラシで週1〜2回、優しくケアしましょう。

04 洗口剤で仕上げ、または少量の水でうがい

清掃後に洗口剤を使用することで、抗菌・抗炎症・虫歯予防効果が期待できます。
就寝前などに取り入れるのがおすすめです。
また、洗口剤を使用しない場合は、ペットボトルキャップ1杯ぐらいの少量の水でうがいするようにしましょう。
歯磨き粉に含まれる薬効成分を口腔内に残留させることで効果が持続します。

よくあるご質問

  • 妊娠中は口腔ケアに気をつけましょう!
    妊娠中は口腔ケアに気をつけましょう!
    妊娠中は、女性ホルモンのバランスの変化により、口腔内の細菌が活発になります。
    これは、女性ホルモンを栄養源とする口腔内細菌が存在するからです。
    実際に当院でも、妊娠中に口腔内の腫れや痛みを訴える患者様が年に数回来院されます。
    その方々の口腔内を見ると、多くの汚れが溜まっていないにもかかわらず、歯茎の炎症が著しいことがよくあります。
    対策として、しっかりと口腔ケアを行いましょう。
    市町村によって妊産婦検診が推奨されていますが、クリーニングは歯科医院で行う必要があります。
    定期的に歯科医院でクリーニングを受けるようにしましょう。
  • クリーニングでおすすめの洗口剤は?
    当院では、"モンダミンHABITPRO"をお勧めしています。
    ノンアルコールタイプで、口の中を浄化し、口臭予防や歯肉の炎症予防、歯石沈着予防、虫歯予防などが期待できます。
    また、現状の薬事法での最大濃度の殺菌成分が含まれているので、日本で一番効果の高い洗口剤であると言っても過言ではありません。
  • マウスウォッシュだけで口腔内はきれいになるのか?
    結論として、マウスウォッシュだけでは十分ではありません。
    歯ブラシや歯間ブラシでバイオフィルムを物理的に取り除き、その後にマウスウォッシュで細菌を殺菌するのが効果的です。
  • おすすめのフロスありませんか?
    ◆フロアフロス(FLOS FORA)「歯ぐきを傷つけずに、しっかり汚れを落とせるやさしいフロス」
    フロアフロスは、歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)に入り込んだプラークや汚れをしっかり除去できる、高性能なデンタルフロスです。
    最大の特長は、384本の極細繊維(マイクロファイバー)を束ねた特殊構造。
    使用中にフロスが“ふわっ”と広がり、歯ぐきにやさしくフィットしながら、面で汚れを絡め取ることができます。
    そのため、一般的なフロスと比べて歯ぐきを傷つけにくく、出血のリスクも抑えられるのが大きなメリットです。
    「普通のフロスでは痛い」「歯ぐきが敏感で出血しやすい」という方にも、安心してお使いいただけます。

    市販のフロスでは物足りない方、歯周病ケアを強化したい方に特におすすめです。
    使い方のコツは、ぜひ当院の歯科衛生士にご相談ください。
  • おすすめの歯磨き粉ありませんか?
    医院としてにおすすめな歯磨き粉が3つあります。

    ◆ルシェロホワイト(GC社)
    「着色汚れが気になる方におすすめ」
    コーヒー・紅茶・ワイン・たばこなどによるステイン(着色汚れ)を落としたい方に向けた美白用歯磨剤です。
    研磨剤として使われているLime粒子(炭酸カルシウム)は、歯の表面を傷つけにくい球状構造をしており、やさしく汚れを落とします。
    また、薬用成分PEG400がタバコのヤニを溶かし、フッ素(1450ppm)が虫歯予防をサポートします。
    毎日の使用で、歯の本来の白さを取り戻し、ツヤのある歯面を保ちます。

    ◆ヒスケア(ライオン社)
    「知覚過敏が気になる方におすすめ」
    冷たい飲み物や風が歯にしみる方に向けた知覚過敏ケア専用歯磨剤です。
    有効成分硝酸カリウムが、歯の神経のまわりに作用して、“しみる痛み”をやわらげる効果があります。
    さらに、乳酸アルミニウムが歯の象牙細管(しみる原因の小さな管)を封鎖して、外部刺激をブロックします。
    もちろん、フッ素(1450ppm)も配合されており、むし歯予防もしっかり対応しています。

    ◆コンクール ジェルコートF(ウエルテック社)
    「虫歯・歯周病・口臭が気になる方におすすめ」
    コンクールジェルコートFは、フッ素(1450ppm)と殺菌成分を配合したジェルタイプの歯磨剤です。泡立ちが少なく、低研磨・無香料・無着色のやさしい処方で、歯や歯ぐきを傷つけることなくしっかりとお口を守ります。殺菌成分「クロルヘキシジン」が、歯周病や虫歯の原因菌を殺菌・除去し、歯肉炎や歯周炎、口臭の予防にも効果があります。歯みがきとしても使えますが、歯間ブラシに塗って歯間ケアに使う、仕上げに口腔内に塗布するといった多目的な使い方も可能です。
    ジェルタイプなので、矯正中の方、インプラント・ブリッジが入っている方、磨き残しが気になる方にもおすすめです。

    お口の中をやさしく、しっかり守りたい方は、ぜひご相談ください。
  • おすすめの歯ブラシありませんか?
    個人的にですが、CURAPROXの歯ブラシがおすすめです。
    毛束が通常の3倍以上で一本一本が髪の毛より細いので、細い溝・歯と歯茎の間を自然と磨けます。
    また、ブラシの毛がコシのあるファイバー繊維なので通常の歯ブラシより長持ちします。
著者画像

著者:西垣 友裕

◆所属学会:日本歯周病学会
◆参加勉強会:
アストラテックインプラント研修会
ノーベルバイオケアインプラント研修会
ストローマンインプラント研修会
東京SJCD (日本臨床歯科学会)ベーシックコース
The Japan Institute for Advanced Dental Studies ペリオコース
The Japan Institute for Advanced Dental Studies ペリオアドバンスコース
エムドゲイン歯周組織再生療法コース
Ivoclar Vivadent I P S Empress コンポジットレジン審美修復コース
IPRT 歯周再生療法マスターコース
その他多数の勉強会・ウェビナーに参加

◆海外の勉強会
EUROPEAN ASSOCIATION OF OSEEOINTEGRATION (ヨーロッパインプラント学会) Paris
ITI (インプラント学会) World Symposium   Switzerland Basel
AAP(アメリカ歯周病学会) San Diego